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自分×技能

有限会社丸山珈琲
中原見英(入社3年)

入社してわずか3年弱。バリスタとしての経歴は浅く、技術も「まだこれから」と自ら語る中原さんだが、2009年10月、ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップで見事優勝を果たした。つまり、バリスタという専門職において、日本一の座を射止めたということだ。
技術だけでは超えられないほどに熱い、一杯のコーヒーにかける想い、こだわり。仕事について語る彼女のまなざしは、豆ひと粒ひと粒の背景にまで深く向けられていた。


あふれる熱意で実力店のバリスタへ

小諸店は、丸山珈琲初の大型店舗
豆のおいしさをひきだしお客様に届けるのがバリスタの仕事

エスプレッソマシンを操作しておいしいコーヒーを淹れてくれたり、カプチーノにかわいいアートを描いてくれたり。
「バリスタ」という仕事には、そんなイメージがある。
丸山珈琲では、それに加えて豆の知識やお客様への説明の能力も、バリスタに求められる。
生産者が苦労して育て、ロースターが細心の注意で煎りあげた豆を、心まで温まる一杯として、最後にテーブルへと届ける大切な役割。それが丸山珈琲のバリスタだ。

もともとカフェを訪れることは好きだった中原さん。
しかし、入社前にバリスタに携わるための特別な経歴があったわけではない。
イタリアのバールで就業体験したことはあったが、その時には悔しいほど何もできず、むしろその時の悔しさが「もっとコーヒーを勉強したい」という原動力になったという。
県内でコーヒーを学べる場所をと探していたとき、丸山社長のブログを見つけ「ここだ!」と門を叩いた。

「本当はある程度実績のある子を採用するんですけどね。勢いに押し切られたみたいです」
バリスタトレーナーの阪本さんは、社長との当時のやりとりを振り返って笑う。

大きな目に魅力的な笑顔。
やさしげな面差しの中原さんだが、時にトレーナーや社長もたじたじとさせるほど、芯は強いのだ。


日本一の栄冠を手にしてから

ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップの優勝者に与えられるフィルターを模ったトロフィー

ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)への挑戦は3度目。
「入社当時から大会参加は目標のひとつでした。丸山珈琲にはファイナリストの先輩も多くいて、本当にいろんなことを教わったんです」
入社1年足らずのチャレンジでは初出場4位、昨年は2位の実績がある。

だが今回は、丸山珈琲、初の大型店舗の店長として忙しい職務を果たしながらの決勝進出。
先輩たちに見守られながらの前回、前々回とは、プレッシャーのかかり方も違った。
「優勝したいと臨んだ大会でもありましたし。結果を出せた時は心底ホッとしました」
一方で、コーヒーについてもっと勉強したいというモチベーションが、さらに上がる。
「実際に淹れるだけが練習じゃない。プラスアルファとして、どれだけ自分の想いを伝えられるかが大切だと実感しました」
たとえば、どんな人がどんな生活をしながら、この豆を作っているのか。
おいしく飲んでもらうために、どんな人が関わってきたのか。
審査員はお客様。おいしいコーヒーに託して、伝えたいことがたくさんある。

6月には、日本代表として世界大会が待っている。
「めったにないチャンスですから、与えられた15分間、自分の納得できる競技をしたいですね」


尊敬し、尊重する関係

中原さんからは、珈琲とその想いを届けたい!というパッションがあふれている

国内屈指のトレーナーとして何人ものバリスタを育ててきた阪本さんは、中原さんと出会って、教え方まで変わったという。
「技術ばかりを教えていましたが、彼女の場合、パワーやパッションが技術不足を飛び越えてしまったんです」
もちろん教え方は相手によって千差万別。
だが、まず「思い入れありき」でコーヒーに向かう姿勢が、本当は何よりも必要ではないかと考えるようになってきた。

中原さん本人は、その隣で
「最初に技術をしっかり教えてもらったので、あとから好きなようにできただけ」 と笑う。
「教え方は厳しいですよ~」(中原さん談)というトレーナーだが、2人は理想的な師弟に見えた。

最近では、店長として後輩の技術指導にも余念のない中原さん。
その後ろ姿を、阪本さんは頼もしく見守っている。


想いをもっと届けるために

ふわふわのカプチーノはマイルドな口当たり

最近は忙しく、好きな本を読んだり映画に行ったりすることも少なくなった。
そんな中で、時間があったら何をしたいですか? の問いには「もっと英語力をつけたい」の答え。余暇についての質問にさえ、プロ意識が覗く。
「あと少しでいいので、スペイン語も話せるようになりたいです」

丸山珈琲では産地から直接豆を買い付けている。
中原さんもスタッフの一員として、店舗などで海外からの生産者をお迎えすることがある。
「そういう時、自分の言葉で少しでもコミュニケーションしたいんです」
JBCの決勝では、自分なりの表現で審査員に想いを伝えたいと、海外からの国際審査員に対して、すべて英語でプレゼンテーションをした中原さん。
人とのつながりが自分の原動力になると、感覚的に知っているようだ。

取材の終わり、ふんわりとハートの描かれた、きめ細かなカプチーノをいただいた。
すっきりとした後味の中に、明るさを感じられた気がしたのは、きっと中原さんが語ってくれたコーヒーへの想いが、しっかりと抽出されていたからだろう。


社名 有限会社丸山珈琲
代表 代表取締役 丸山健太郎
設立 平成3年
事業内容 珈琲豆卸、珈琲豆販売、カフェ、珈琲器具物販、カフェセミナー、カフェコンサルティング、Web通信販売
従業員 54名(平成22年現在)
資本金 300万円(2009年10月現在)
住所 軽井沢本店 〒389-0103 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1154-10
小諸店    〒384-0092 長野県小諸市平原1152-1
※軽井沢本店・小諸店のほかに、リゾナーレ店・ハルニレテラス店も。
TEL 軽井沢本店 0267-42-7655/小諸店 0267-26-5556
FAX 軽井沢本店 0267-42-7655/小諸店 0267-25-5380
営業時間 軽井沢本店 10:00~18:00/小諸店 9:00~20:00
定休日 軽井沢本店 火曜定休日、8月は無休/小諸店 不定休
URL http://www.maruyamacoffee.com/