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技能五輪国際大会・国際アビリンピック1ヵ月前の8月末から9月頭にかけて、最後の強化訓練に励む長野県選手たちのもとを訪れた。
長野県からは、技能五輪国際大会に印刷職種の伊東真規子さん、レストランサービス職種の小林裕香さん。国際アビリンピックに英文DTP種目で米澤勉さん、の計3名の選手が出場する。非常に狭き門であり、一生に一度の国際大会への挑戦を控えて、どのような訓練に励んでいるのか?どんな想いを持って臨んでいるのかを訊いた。
【第41回技能五輪国際大会出場選手】
■印刷(Offset Printing) 伊東 真規子(いとう まきこ)
亜細亜印刷株式会社
■レストランサービス(Restaurant Service) 小林 裕香(こばやし ゆか)
株式会社プリンスホテル 軽井沢プリンスホテル
【第8回国際アビリンピック出場選手】
■英文DTP(Desktop Publishing) 米澤 勉(よねざわ つとむ)
社会福祉法人ながのコロニー 長野福祉工場
印刷職種に出場の伊東真規子さん。7月~9月の3カ月間、一般の業務を離れ国際大会の訓練に専念してきた。訪れた日は、印刷作業を繰り返し行い、細かな動作確認をしていた。「頭は常に回転させながらも平常心を保つ。慌てずに身体は動かし、判断はスピーディに」との声が上司の大塚さんから飛ぶ。作業時間の管理、スタンダードな色作り、印刷紙のコントロールなど、「どんな単純な作業でもミスなく完璧な状態で大会本番に臨む」ために取り組んできた訓練の最終段階であった。
印刷職種の競技配点の7割は大型印刷機を用いてのオフセット印刷作業が占めている。(その他は、シミュレーション作業やデジタル印刷作業等)このことからも分かるように、印刷機とその肝となる色をどこまで操ることができるかに勝負が掛かっているという。伊東さんは、常に安定した色を出せるように、この3カ月間、毎日濃度計での成功率の測定を繰り返し、技術を高めてきた。本番に想定される3割のルール変更、色の変化や気温、どんな状況にも対応できる経験値と自信とを携えて大会へ臨む。
「競技中のどの部分、どの自分を一番見て欲しいですか?」と訊いてみた。すると、印刷の醍醐味である「本刷りをしている時」との答えであった。人に見られている時ほど調子がでるという伊東さんは、物怖じせずにむしろ緊張感を自分の原動力にして楽しめるタイプなのだろう。国際大会という最高の舞台でどんな活躍をみせてくれるのかとても楽しみである。
レストランサービス職種に出場の小林裕香さん。日頃はホテルでの接客業務の終了後に、上司の清宮さんとともに訓練を積んできた。訪れた日は、大会一ヵ月前ということもありフランス料理文化センターから講師の福岡さんを招いての強化訓練・二日目であった。
強化訓練は、本大会を想定して競技フロアとほぼ同じ規模の場所で行われるという徹底ぶり。「もっとエレガントな動作を」「アクシデントも笑いに変えるくらいの平常心を持って」と厳しい言葉も飛ぶ中、チェリージュビレやチキンのデクパージュの訓練を休むことなく繰り返し行っていた。基本のサービスはもちろん、身のこなし、提供する料理まで、そこに小林さんならではのサービスがあるか?それが最も大切なことなのだ。
レストランでは常に目の前にお客様がいる。だからこそ、そこで起きるすべてをサービスに変えられるくらいの平常心とウィット。求められることは限りない。もちろん大会本番は何百ものギャラリーに囲まれ、英語が飛び交う中で振舞うことになる。どんな状況下においても、どこまで自分のおもてなしすることができるか?それが小林さんの今の課題なのだそうだ。
国際大会直前の現在は、東京のグランドプリンスホテル高輪にて最終訓練を行っている小林さん。ほんの数時間のレストランでの体験を、小林さんの目指す「日本人らしいおもてなし・サービス」で彼女らしさの溢れる素敵な場に仕上げてくれることを期待したい。
英文DTP種目に出場の米澤勉さん。普段は日常業務を行う中、雇用・能力開発機構の講師とメールで課題をやりとりし訓練を積んできた。講師から出された課題を繰り返し行う中で、「インパクトがある自分のつくりたいもの」をつくれるようになってきたそうだ。実際にこれまで行ってきた課題を拝見したが、数をこなすごとにレイアウトによる楽しい雰囲気や米澤さんがここで伝えたいこと、表現したいことが作品に表れているのがみてとれた。
仕上がりB5の雑誌で、見開き(B4)にテーマに沿った制作をするという競技課題。もちろん内容は英文だ。課題の内容は、競技前日に公表され、ざっと和訳した状態でみられるものの、「自分自身でも英文を理解することで、よりテーマに沿ったものを作り上げることができるはず」と英単語を覚えるなどしているそう。
国際大会は英文課題ですが、何かレイアウトなどで意識していることはありますか?と訊くと、英文でのレイアウトは、日本語と違って基本横書きなので、ラインを意識したり、ブロックで区切ったりと遊びを入れていければと考えているのだそう。日本語にはない、新しい表現の分野、米澤さんはそれを楽しんでいるように思えた。
米澤さんが目指すのは、第一印象でみた時にとっつきやすく自然にみることのできる作品。「日本代表として、日本人らしい技を取り入れた作品を制作したい。努力してきたものが悔いなくだせるように楽しんできたい」と語ってくれた。
ソウルで、そしてロンドンで。三人の活躍と国際大会の模様は10月のワザキャンで紹介します。